『腰痛…左右に偏った痛みの場合』
【カイロこまば通信】

カイロこまば通信は、2006年11月から当院入口で配布してきたニュースレターです。様々なテーマで健康情報を発信していますので、ぜひご覧ください。順次掲載して行きます!

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テーマ:腰痛…左右に偏った痛みの場合

前回は腰の中央に痛みがある場合の考察を紹介しましたが、今回は左右に偏る腰痛についての考察です。左右でバランスが崩れていることが疑われますから、それを顕在化させるためにも当院では筋力検査を重視しています。その点を含めてご紹介します。

今回は右腰が痛い…左腰が痛い…といった偏りがある場合に当院で気にしているポイントをご紹介します。

左右に偏りのある腰痛をイメージしてもらうためのイラスト

問診で腰痛に左右の偏りがあると伺った場合、左右のバランスが崩れていることを示唆していますから、その影響がどこまで及んでいるかを確認します。具体的には臀部や脚、更には足底に痛みやしびれが出ていないかを気にしているのですが、神経根症状(手足に伸びる末梢神経が背骨からの出口付近で刺激されて出る症状…)があるか、末梢神経絞扼症候群(ルート上のどこかで絞扼…)なのか、筋筋膜性疼痛症候群? といった切り分けを始めます。

もちろん前回のケースでも神経根症状の有無は確認しますが、神経根症状がある場合、腰中央とは言っても左右どちらかが強いといった差を訴えられることが多いと感じています。

具体的な切り分け方法やそれらの問題に対するアプローチは省略しますが、腰・骨盤に左右どちらかの下肢に症状を引き起こす要因があることが疑われますので、それらのバランスを確認して行きます。なお、臀部や脚に付随した症状のない片側に偏った腰痛を訴えられる方も多くいらっしゃいますが、同様に腰・骨盤のバランスが崩れていないかをチェックします。

立位姿勢で骨盤の傾きがあるか、腰・骨盤の動きで左右の偏りはあるかといった点もチェックしますが、当院では筋力検査で左右の筋バランスを探って行くことが欠かせません。背骨(特に腰椎…)を左右から引っ張る筋肉に左右差があると、どうしてもバランスを崩します。だからこそ、腸腰筋(詳しくは大腰筋と腸骨筋に分かれ、大腰筋は腰椎の前側面から大腿骨の近位に付着しています…)の筋力検査はほぼ毎回行います。同様に背側で腰椎や骨盤、第12肋骨(一番下の肋骨…)に付着する腰方形筋や、側腹部に位置する腹斜筋群(肋骨や骨盤上端の広い範囲に付着しています…)といった筋肉も重視し、筋力検査を行います(これらの筋肉は症状に応じてで、毎回筋力検査を行う訳ではありません…)

骨盤のバランスを探る際の指標として大腿直筋中殿筋もほぼ毎回確認するのですが、特に重視しているのがハムストリングス(大腿背側にある筋肉群の総称…)です。弱化があればそれを改善させる骨盤の方向を探るため、弱化がない場合は骨盤の傾きを強めた際に弱化が出てこないかを確認するために用いています。

このような点をチェックして行くとバランスの悪さが顕在化してきますので、それらを改善させるよう施術して行きます。背骨や骨盤への施術の考え方は前回と同様ですが、当院では骨盤のバランスを整える際にドロップボードを用いることが多いです(アジャストメントを選択する場合も多いですが…)

骨盤は左右の仙腸関節において外側にある寛骨が連動して動く(片側が前傾したら対側が後傾というように…)構造のため、左右で捻れるような傾きが保たれてしまうことがあります。仙腸関節がロックして傾きが作られることもありますが、ロックしていなくても寛骨を動かす筋肉に弱化や緊張が生じることで捻れを引き起こすことがありますから、改善させる方向にドロップしているのです(縮こまっている筋肉に瞬発的な伸張を加えることで緊張を取るといった作用も…)。弱化や緊張が認められる筋肉に対しては、反射点を刺激したり、筋肉自体にSTT(軟部組織テクニック…)を行ったりと様々な方向から安定化させるよう導きます。

ここまでは左右の筋バランスや骨盤の捻れに着目したお話でしたが、左右のアンバランスを作る要因がもっと上位にあることも疑われます。頭蓋や頚部、顎関節に生じる機能障害も左右のアンバランスを作る要因になりますし、バランス感覚や筋トーンの調節を司る小脳や脳幹部レベルでの偏り(ヘミスフェリシティ…)が関わっているかもしれません。これらのレベルからの影響も加えると混乱されると思いますので、今シリーズではここまでとさせて頂きます。

カイロこまば通信vol166のイメージ画像

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