『ハムストリングスって何?…』
【カイロこまば通信】

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テーマ:ハムストリングスって何?…

当院では、筋力検査を通じて筋バランスを探っています。そのため、よく筋力検査を行う筋肉というものがあり、今回はその中の一つであるハムストリングスをご紹介します。ふとももの後ろ側にあって、骨盤のバランスに関わる筋肉群なのですが、ご存知でしょうか。

今回は、ハムストリングスという筋肉についてご紹介します。

この筋肉はふとももの後ろ側にある筋肉群で名前を聞いたことがあるかもしれません。ただ、ハムストリングスというのは筋肉の正式名称ではなく、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋という3つの筋肉の総称です。

なぜこの筋肉に着目するかですが、当院ではほぼ100%筋力検査を行う、骨盤のバランスをチェックするために重要な筋肉だからです。その理由はおいおいお話しますが、まずは筋肉について紹介します。

ハムストリングスは、大腿背側で外側と内側に分かれます。外側ハムストリングは大腿二頭筋内側ハムストリングスは半腱様筋と半膜様筋で構成されます。大腿二頭筋は、坐骨結節と大腿骨背側の2カ所に起始があり、下腿外側にある腓骨の近位部付近に付着します。半腱様筋・半膜様筋は、どちらも坐骨結節から起こり、下腿内側にある脛骨の近位部付近に付着します。

ハムストリングスを紹介するイラスト

それらの筋肉の働きは、主に膝関節の屈曲(曲げる…)で、股関節の伸展(反らす…)の働きもあります。

ここで大事なことは、どの筋肉も坐骨結節に付着しているということです。

立っている時はハムストリングスの脚側の付着部が固定されている訳ですから(膝は伸びていて、歩いていなければ股関節も中間位…)、骨を引っ張る筋肉の働きは骨盤側に影響を及ぼします。つまり、ハムストリングスには骨盤の外側にある寛骨(腸骨、恥骨、坐骨と別れていた骨が成長に伴ってくっついて一つの骨になります…)を引っ張って、後方回旋させる働きがあるのです。

左右どちらかのハムストリングスに弱化があれば、引っ張る力が弱まることで同側の寛骨を前方に回旋させますし、過緊張や短縮があれば後方に回旋させることになるのです。

先ほど、ほぼ100%筋力検査を行うとお話しましたが、片側が弱化しているというケースはよく見られ、例えば左は正常だが右は弱いという場合に、右寛骨前方・左寛骨後方回旋を補正するようにブロックを入れると筋力が改善するということもよく見られます。

また両側短縮すると骨盤を後傾させることになり、フラットバック(腰の自然な前弯がなくなって…)になりやすいと言えます。それは結果として腰椎間の椎間板の変性を早め、慢性的な腰痛のリスクを高めます(特に年配の男性に多いパターンです…)。仰向けで膝を伸ばしたまま脚を持ち上げようとするともも裏がすぐに張ってしまう場合、短縮している可能性は高いです。

ハムストリングス両側短縮による姿勢変化のイラスト

ハムストリングスが硬いのであればストレッチして伸ばさないと…と思われる方は多いのではないでしょうか。でも、はっきりいって大変です。というのは、ハムストリングスは姿勢筋なので姿勢をキープするために収縮して硬くなりやすい傾向にあります。長期間、緊張状態が続くと筋肉はその長さに適応して筋肉を覆う筋膜が短く、硬くなってきます。筋膜リリースという考え方もありますので、まったくダメということはないのですが、大変だと思います。

両側短縮というのは長年の姿勢の蓄積ですが、片側弱化は意外と簡単に、それも短期間で生じます。偏った座り方をして骨盤をねじっていればそれに伴ってハムストリングスに弱化が生じる可能性がありますが、弱化の継続が骨盤のバランスを崩したままにとどめ、その周囲の筋肉にさらなるアンバランスを引き起こしてゆくのです(それが慢性痛の要因にも…)

当院では、この左右のアンバランスを重視し、ほぼ毎回ハムストリングスの筋力検査を行いながら骨盤のバランスをチェックしています。このような骨盤のねじれは座り仕事の方にはよく起きる事象ですし、ふとももの後ろ側にはりや痛みを感じるという方も多くいらっしゃいます。このお話を読んで、骨盤やハムストリングスが気になるな…という方はぜひ一度チェックさせてください。

カイロこまば通信vol157のイメージ画像

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