『加齢に伴う重心の取り方(足に関する注意点…)』
【カイロこまば通信】

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テーマ:加齢に伴う重心の取り方(足に関する注意点…)

加齢に伴う重心の取り方をテーマに書いてきましたが、今回が最後となります。重心のコントロールにとって大切な"足"について、日常から意識して頂きたいことを書いておきますので、参考にしてください。

このテーマの初回で足関節戦略をなるべく活用できるよう、足関節の機能性を維持しておくことが求められると書いて、3回目で足趾や足関節のエクササイズを紹介してきました。それだけ足は重心のコントロールにとって大事なのですが、そのことをもう一度認識して頂くため、テーマ『加齢に伴う重心の取り方』をもう一回だけ継続し、足に関して日常から意識して頂きたい点を追記します。

まず足に関してお話しておきたいポイントは2つあります。アーチがあることを意識することと、母趾をしっかりと使うことです。

足にあるアーチとしては土踏まず(内側縦アーチ…)をイメージされる方が多いと思います。もちろん土踏まずも大事なのですが、足趾(ゆび)の機能性を維持するという点からすると、足趾の付け根にある横アーチも大きなポイントとなります。横アーチは立って体重がかかれば潰れるというようにそれほどしっかりとしたアーチではありません。ただ、足趾の骨の並びにとって重要で、示趾(人差し指…)や中趾あたりが頂点となる趾の並びが崩れると、母趾の位置が崩れることになりかねません(外反母趾になる原因の一つと言えます…)

足の横アーチを紹介するイラスト

横アーチの崩れは、外反母趾、示趾や中趾の付け根の胼胝、趾が反っているといったサインをもとに疑いますが、合わせて母趾が上手く使えていないのでは? と考えます。横アーチは骨の並びなのでカイロプラクティックで施術すれば良い? と思われる方もいらっしゃると思いますが、そんな単純なものではありません。横アーチは関節構造で作られるものではなく、靭帯や軟部組織といったある程度柔軟性のある組織で結び付けられているものですから、背骨や骨盤とは違うのです。大事なのは使い方を変えて行くことです。

母趾をしっかりと使うという点ですが、これは使い方を変える(横アーチの崩れを防ぐために…)ことにつながります。まずご自身の足・歩き方をチェックしてください。母趾が反っていませんか? 重心が小趾側に偏っていませんか? 母趾の腹が地面に着いていますか? 母趾の腹が地面につかないということは、母趾の機能を十分に活用できていないということですし、別の趾や母趾の付け根(母趾球…)のみで代償的な動きをしてごまかしているということなのです。

ちなみに、歩く際の足底での体重移動(地面についている側の足…)には、踵から着地して足の小趾側に重心が移動しながら最後母趾から抜けるといった流れがあります。また、立っている時に足にかかる荷重は、踵に50%、母趾側に25%、小趾側に25%と分散されるのが本来です。その基本が崩れるとアーチを崩しますし、足の本来の機能を損ねることになるのです。

足底には重心を感知する神経終末がたくさん来ていますので、足の機能性に偏りが生じる、足趾を使わなくなるということは脳にあげる体性神経系の情報に偏りが生じるということなりかねません(若い時は問題にならないと思いますが、加齢に伴って脳にあがる神経情報が減ってくるとどうでしょう…)

足趾を使うということで、グー・チョキ・パーといったエクササイズを紹介しましたが、それだけでなく、普段の立つ、歩くといった動作の中で母趾を使う、つまり母趾の腹が地面に触れていることを感じるよう心掛けて頂きたいのです(外反母趾で母趾の腹が地面につかない、痛みがあるという方は無理に行うことは避けてください…)。ただ、母趾の腹で地面を押そうと意識しすぎると、母趾球が浮いて、小趾側に重心が寄ってしまうことがあります。立っている時は、母趾側全般(母趾の腹も付け根も…)が地面に着く、つまり重心が均等に母趾側に乗っているかをチェックし、浮いている感覚であれば、重心を母趾側全般にも乗せて姿勢をキープするといったことを試してください。常に頑張れ!というのは難しい…。「通勤・通学の時は意識するようにしよう」というように、毎日ある機会を決めて行ってもらう方が続けやすいと思います。ぜひ試してみてください。

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