『ストレスとホルモンとの関係…脳への影響も!』
【カイロこまば通信】

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テーマ:ストレスとホルモンとの関係…脳への影響も!

ストレスが身体に色々と影響することはご存知だと思います。その一つとしてホルモンへの影響も無視できません。更にはもっと怖い話もありますので、詳しくは本文を…

今回はストレスホルモンと言われるコルチゾールについてです。

このホルモンは副腎という臓器から放出されるホルモンなのですが、身体にとってとても重要な働きをしています。それは逆に言うと、過剰分泌されると色々な弊害があるということでもあります。ストレスを長期に抱えることのリスクと合わせて、このホルモンの怖さを紹介して行きます。

副腎の位置を示すイメージイラスト

コルチゾールは、タンパク質や炭水化物、脂肪の代謝に関わって、血糖値を上昇させます。また、抗炎症作用や免疫系に働きかけることで抗アレルギー作用もあります(そのため、ステロイド剤としても利用されています…)。胃に作用して、酸分泌を促進して粘液分泌を抑制する働きもあります(ステロイド剤の長期投与で胃潰瘍になるのはこの作用から…)。このコルチゾールが分泌される副腎は、中心に髄質、外側に皮質と分かれており、コルチゾールは副腎皮質から放出されます。そこからは、他にも電解質に関わるミネラルコルチコイドや性ホルモンであるアンドロゲンといったホルモンも放出されています。ちなみに、副腎髄質はエピネフリン、ノルエピネフリンというホルモンを放出するのですが、これらの副腎髄質ホルモンは交感神経の活動に合わせて放出され、脈拍や血圧、更には血糖値を上昇させます。

コルチゾールを含む副腎皮質ホルモンは、脳の視床下部から副腎皮質ホルモン放出ホルモンが出されることで放出されるのですが、血中の副腎皮質ホルモン濃度が高くなると放出ホルモンを出すのを止めるといったフィードバック機構が働きます。ただ、脳にストレスが加わった状態では、過剰に防衛反応を引き起こし、フィードバック機構が機能しなくなったり、交感神経が過剰に反応したりします。副腎自体が機能亢進してしまい、コルチゾールの分泌が過多になるのです。

コルチゾールには、朝に大量に分泌されて夜には分泌が低下するといったリズムがあります。コルチゾールの分泌が低下するのに合わせて脳からメラトニンという睡眠に関わるホルモンが放出され、脈拍や血圧を低下させて睡眠に向かわせるのです(メラトニンが上手く分泌されないと体内時計を崩してしまいます…)。身体がストレスによって過剰に反応すると、コルチゾールリズムを崩し、メラトニン分泌に影響して睡眠障害を引き起こすことにもつながります。

コルチゾールやエピネフリン・ノルエピネフリンの分泌増加は血糖値の上昇を引き起こしますが、それを調整するために膵臓からインスリンの分泌を増加させます。ストレスが長期化してインスリン分泌が過剰になると、体内でのインスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病のリスクを高めるだけでなく、脳内インスリンの増加がアルツハイマー病や記憶障害のリスクを高めることも分かってきています。コルチゾール自体も、長期的な分泌増加が脳の海馬を萎縮させることが分かってきています(記憶や学習障害に関わります…)。ストレスは、ホルモンに影響しながら脳へダメージを与えることも危惧されているのです。

コルチゾール分泌増加の影響は他にもあります。副腎機能亢進が長期に渡ると、副腎が疲弊し、副腎機能低下の症状が出てくることもあります。血糖値やミネラルバランスのコントロールが崩れた状態です。また、性ホルモンのバランスを乱すことで脳の前頭葉機能に影響するといった報告もあるのです。

ストレスとコルチゾールとの関係は分かって頂けたでしょうか。ではどうすべきなの? といった疑問があると思うのですが、まずはストレスコントロール(ゆっくりとした呼吸法や自律神経の訓練も…)が、次に食事や生活の改善(まずはよく噛むこと、血糖値を過剰に反応させないことから…、睡眠時間の確保もぜひ…)が必要となります。必要なのはわかるけど、これがなかなか出来ないんだよね…という感想が多いのではないかと思います。でも、怖さが分かると少しやってみようかなと思いませんか?

カイロこまば通信vol112のイメージ画像

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