『骨盤シリーズ第3回…筋肉の役割』
【カイロこまば通信】

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テーマ:骨盤シリーズ第3回…筋肉の役割

骨盤シリーズも3回目。今回は脚を動かすだけでなく、骨盤の安定に関わる筋肉についてお話します。

今回は骨盤の周囲にある筋肉についてお話しますが、骨盤周囲にはたくさんの筋肉があります。それぞれ紹介していたらスペースがなくなってしまうので、今回は脚を動かす骨盤を安定させる、この2点にまとめてお話します。

まず、脚を動かすという点ですが、大腿骨・脛骨といった脚の骨に付着している筋肉が股関節をまたいで寛骨や仙骨といった骨盤を構成する骨に付着しているため、脚を動かすことが出来ます。その動きから股関節屈筋群(脚を前に…)伸筋群(後ろに…)外転筋群(外に…)内転筋群(内に…)外旋筋群(外に回す…)内旋筋群(内に回す…)という様に分けられますが、一つの筋肉が複数の役割を持つ(例えば外転筋群でありながら内旋筋群でもある…)こともあります。

このような分け方を紹介したのは、反対方向の動きに対しては相反拮抗抑制という神経系を介した制御が働く(屈筋群が収縮すると伸筋群は抑制され伸張される…)ため、ある方向に動かす筋肉が過緊張したままだと反対方向の動きに関わる筋肉は十分に働けなくなる(逆に伸筋群が弱化していると屈筋郡が過度に緊張してしまうことも…)という作用があるからです。例えば、脚を前に出すという動きの際、外旋筋群に過緊張があると内旋筋群を抑制し、足先を外に向けてしまうといったことが生じます。

このようなアンバランスは本来の関節面に沿った動きとは異なるので、それが積み重なると関節の機能障害、更には痛みやしびれといった症状を引き起こすこともあります。また、股関節の関節面は球状なので、脚は色々な方向に動きます。骨盤と脚に付着する筋肉が様々な向きにはっていることで複雑な動きを作り出しているのです。ただ、筋肉は過剰な動きをしないよう制限する役割もあります(靭帯もですが…)。その制限する役割が運動不足…、悪い姿勢で座る等の生活習慣…といった要因から過度に働いてしまい(慢性化は筋の短縮を引き起こします…)、本来の股関節の動きを損なって骨盤、更には脊柱の動きまで制限することがあります。当院ではこのような筋肉のアンバランスを重要視しています。

次は、骨盤を安定させるという点ですが、骨盤は大きく重い構造です。それが2本の脚の上に載る、歩く際には1本の脚で支える形になりますから、骨盤のバランスを崩さずに立ったり歩いたりすることが求められます。

例えば、歩く姿を見ていると片側の骨盤が沈み込んだり戻ったりする人を見たことはありませんか? 立脚側の股関節外転筋群が弱くなっていることで骨盤を支えきれず、反対側の骨盤が沈んでしまうのです。

歩行時に骨盤が傾いていることを表しているイラスト

見て分かるほどではなくても、股関節外転筋群が弱化して歩くたびに骨盤のバランスを崩している人は多いです。動作中に安定をもたらすよう、こっちの筋肉を収縮させてあっちの筋肉を弛緩させて…といった調整しているのは小脳で、その指令を伝えているのは神経です。ただ、それを実現しているのは筋肉です。前段で紹介した脚を動かす筋肉は、立っている時には骨盤を安定させる筋肉になりますし、体幹から着いてくる筋肉もまた骨盤を安定させています。骨盤の前面は股関節屈筋群と腹筋群で、外側は股関節外転筋群と腹筋(特に腹斜筋…)と背筋(正式には脊柱起立筋や腰方形筋…)の共同作用で、背面は股関節伸筋群と背筋で支えているのです。これらの筋肉が神経系の指令に応じて働けないと、骨盤は安定を欠いてバランスを崩してしまいます。その結果、歩行が崩れたり、姿勢が悪くなったりといった問題が生じてくるのです。

なお、この際も相反拮抗抑制による筋肉の弱化が関わります。先ほどの例でも、股関節内転筋群が過緊張していて外転筋群が弱化しているかもしれません。また、骨盤にある仙腸関節(歩行時に連動して動く…)、更には腰椎(外転筋群を支配する神経が伸びてくる…)の問題からかもしれません。それらを改善させることが骨盤の安定を回復させるのに必要となる場合は多いです。

なお、筋肉は姿勢にも関わります。その点を含め、次回は骨盤と姿勢、そしてそれに関わる筋肉についてお話したいと思います。

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