『子供の抱っこが与える腰・骨盤への影響(パート1)』
【カイロこまば通信】

カイロこまば通信は、2006年11月から当院入口で配布してきたニュースレターです。様々なテーマで健康情報を発信していますので、ぜひご覧ください。順次掲載して行きます!

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テーマ:子供の抱っこが与える腰・骨盤への影響
(パート1)

今回からは、育児、それも子供の抱っこをテーマに動きと姿勢との関連性についてお話して行きます。子育て中のお父さん、お母さんのちょっとした助けになれば幸いです。(第3回では抱っこと首・肩・腕との関連を少しお話していますが、今回は腰・骨盤との関連です。)
※重い荷物を抱えて持つ場合にも当てはまります!ぜひ読んでみてください。

お子さんが大きくなってしまうとなかなか抱っこしなくなると思うのですが、まだ軽い時は自転車に乗せる時、寝かしつける時、急いでトイレに連れて行く時とついつい抱っこしますよね。

私の子供達もまだ小さいので、何かにつれて抱っこすることは多いです。とはいえ、上の子は体重が17kgほどあるので、長く抱っこすることはさすがにちょっと…。(「抱っこ!抱っこ!」と甘えられると、つい抱っこしてしまうのですが、長くはしないよう心がけています)

さて、抱っこが腰・骨盤に与える影響について、体重が15kgを超えるような少し重いお子さんとそれより軽いお子さんとに分けてお話して行きますが、今回は重いお子さんの場合です。(軽いお子さんの場合は次号になります。もうしばらくお待ちください。)

重いお子さんを抱っこすることは、重い荷物を抱えて持つのと同じです。普段立っている時とは違い、身体の前方に大きな荷重がかかるので、接地している足を中心として前後のバランスを保つように身体を反らす傾向があります(重い子供をなるべく中心ラインに寄せようとするためです)。背骨は各レベルで前後に倒す、左右に倒す、回すといった動きの得意・不得意があります。前後の動きは背骨の中で腰が得意とする動きなので、胸の高さで抱っこしても、バランスをとるために腰を後ろに反らします。腰は第4回でも書きましたが、5つの腰椎からなり、前に凸となる弯曲(前弯)を形成します。個々の腰椎に適度の可動性があれば、腰を後ろに反らしても、弓状を強めて負荷を分散させることが出来るのです。

子供の抱っこで腰が反るイメージイラスト

さて、ここからは不良姿勢が絡んできます。姿勢、特に腰の部分をパターンに分けて問題点を探って行きましょう。

  1. 腰の前弯が減少している人
  2. 腰の前弯が強い人
  3. 腰に横の弯曲(側弯)がある人

腰の前弯の見方は、"壁に背中やお尻、踵がつくように真っ直ぐに立った時に腰と壁の間に指 2本分が入るかどうか"として見るのが簡単かと思います。 2本入らない人は減少、3本以上入る人は過剰が疑われます(とはいえ、姿勢は様々な要因が複雑に絡み合います。指が 2本入っても前弯が減少している場合もありますので、一度チェックされることをお勧めします)。側弯があるかの判断はなかなか難しいので、ここでは腰の片側に強く痛みがある人としましょう。

腰椎の不良姿勢パターンのイラスト

まず、1.のように前弯が減少している人の腰は、柔軟性が減少しがちです。身体を後ろに反らそうとしても、弓なりになれず棒が折れるように動いてしまいます(柔軟性の残っている部分に過度な動きが求められるのです)。また、骨盤が後傾している人が多く、骨盤を前に傾けることが苦手なため、子どもを中心ライン上に寄せてくるために骨盤を前方に平行移動させてバランスをとる傾向があります。腰と骨盤の移行部に前後にスライスされるような力がかかるため、この部分を中心に症状が出やすいと言えます。このような方はこの移行部がくの字の頂点にならないよう、股関節と膝を上手く使う(少し曲げる)ことが大切です。

今度は反対に、前弯が強い人です。このような方の場合、腰は弓状に反れますし、骨盤を前に傾けることも出来ます(過度に前傾している場合が多いのですが…)。とはいえ、背骨の後ろ側には関節があるため、弓状が強まると関節がしまって痛みを引き起こす危険性が高まります。抱っこの際は肩を少し丸めて、お腹に力が入るポジションを保ってください。腹筋が収縮すると、腹圧があがって腰椎の前方からの安定性が増しますし、骨盤が過度に前傾することも避けられます。

最後に3.の側弯のある人ですが、このような方は骨盤の左右のバランスが崩れていることが多いです。もちろん背骨にも影響が出ます。背骨には左右に関節があるため、椎骨が傾くと左右の関節に均等にかかるべき負荷が偏ってしまい、痛みや筋肉のアンバランスを引き起こします。骨盤も含めて要因を探って行くことが大切です。

なお、骨盤の左右のバランスの崩れについては次号でもう少し詳しく触れて行きます。ぜひ読んでみてください。

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