【産後の骨盤矯正のポイント!】
産後の骨盤矯正でカイロプラクティックや整体を探されている方は多く感じますし、実際、当院にもよく来院されます。そのような方のために、ここでは産後の骨盤矯正でポイントとなる点をご紹介します。
「何となく必要なのは分かるけど、何で? 何をするの? がよく分からない…」という方、必見です!!
詳しくは後述しますが、まずはそのポイントを紹介しておきます…
- 産後の矯正…骨盤はその一つでしかない…
- 不安定な関節…だからこそ筋肉が大切です!
- 妊娠中の身体の使い方をリセットしましょう!
何で産後の骨盤矯正が必要なの?
ポイントに入る前に、骨盤矯正が必要な理由を整理しておきましょう。
まずはリラキシンというホルモンのお話から。
このホルモンは月経や妊娠に伴って卵巣や子宮、胎盤などから分泌されます。出産前になると分泌が盛んとなり、骨盤にある恥骨結合、仙腸関節を支持している靭帯が緩みます。靭帯は強靭な組織ですが、分娩の際は緩まないと産道が確保できないので、リラキシンの出番となるのです。ただ、問題となるのは分娩後です。リラキシンの分泌量は減少しますが、骨盤の安定には4~6ヶ月ほどかかります。
リラキシンの影響下では関節の可動性が高まります。それはつまり、通常の可動域を超える動きが可能となるため、周囲の組織にかかる負荷から痛みにつながるリスクも高まります。また、不安定な関節周囲の筋肉は土台が安定しない分過度に張力を求められ、筋疲労から筋肉自体の痛みにつながることもあります。
特に育児では、授乳や抱っこといった普段と異なる姿勢、それも傾きや捻じれを強いる姿勢をキープしなければなりません。緩い状態にある恥骨結合や仙腸関節に傾きや捻じれが加わるのですから、育児中の痛みだけでなく、安定状態に戻る際に機能障害を伴うことも…。もちろん、骨盤だけでなく、その上に乗る背骨や頭蓋骨もまた然り。産後に骨盤ベルトを薦められる理由はこれらの理由からなのです。
とはいえ、必ずベルトが必要という訳ではありませんし、固定するにしても関節や筋肉をなるべく良い状態にして着けることが望まれます。ベルトに依存することも避けなければなりません。
その他にも、骨盤腔内には産婦人科系の臓器が収容されていますから背骨や骨盤の問題が自律神経の働きや内分泌系のバランスを崩して体調全般に関わる可能性もあります。症例報告でも紹介しましたが、二人目不妊といった悩みに通じるリスクがないとも言い切れません。
骨盤矯正が必要な理由はこのような理由からなのです。
骨盤矯正で抑えておきたい3つのポイント…
Point1 産後の矯正 骨盤はその一つでしかない…
骨盤矯正と言うと、腸骨の傾きや脚長差、仙骨のスプリング、仙腸関節の可動性などをチェックして骨盤の歪みを判断し、それを矯正するという施術がイメージされます。もちろん背骨を整えるという観点から必要なので、当院でも行います。
でも、産後の骨盤は不安定な状態のままです。そのため、骨盤に負荷を強いる部位を見つけ、その機能障害を改善することもまた欠かせません。つまり骨盤はジグソーパズルの1つのピースでしかなく、それだけでは全体の絵は分かりません。矯正効果をキープするためにも他のピースを見つけて当てはめて行くことが必要なのです。その他のピースとして、当たり前ですが背骨や頭蓋骨、更には内臓の機能障害や神経的な混乱(当院ではAKにて評価…)といった問題が散らばっている可能性もあります。
問題は相互に影響し合います。別の部位の機能障害も合わせて改善させることが大切なのです。
Point2 不安定な骨盤…だからこそ筋肉が大切です!
一般の骨盤矯正で忘れられがちなものがあります。それは筋肉です。緩くなった靭帯の機能をカバーできるのは筋肉しかありません(ベルトといった外部要因は除いて…)。
骨盤矯正をしても骨盤の安定に関わる筋肉が弱化したままではまた戻る可能性は高いです。もちろん骨盤を矯正することで筋力が回復することもありますし、矯正後に骨盤ベルトをしておくことで張力が発揮しやすくなり筋力が回復してくることも期待できます。ただ、筋肉の弱化は筋肉自体の疲労や神経的な抑制など様々な要因が絡むので、骨盤矯正や骨盤ベルトだけで改善するとは限らないのです。筋肉を骨盤からだけでなく、全身の機能的な問題からみることで安定して力を発揮できるように仕向けることが必要ですし、経過を観察することも大切です。
Point3 妊娠中の身体の使い方をリセットしましょう!
娘が生まれる前に両親学級に参加して、妊婦体験ジャケットを羽織ってみたことがあります。腰にかかる負担が正直つらく、「妊婦さんは大変だな…」と実感したことを覚えています。
妊婦さんのお腹は徐々に大きくなるので、体験者が感じるほどの急激な負荷は感じていないと思います。とはいえ、重いお腹を抱えたまま生活しなければならない訳ですから、なるべく楽な姿勢や筋肉の使い方をとろうとします。その結果、妊娠前の姿勢や筋肉の使い方の記憶は塗り替えられてしまうのです。もちろん出産後も再度記憶の塗り替えを行いますが、上手くリセットされるとは限りません。
特に気になるのがお腹が大きくなって伸ばされていた腹筋群や歩く時に働く股関節周囲の筋群です。同じ作用を持っている筋肉は共同して働きますが、本来メインであるべき筋肉が妊娠中にサブに変わってしまうことがあり、産後もサブのままになってしまうことも…。その場合、本来メインとなるべき筋肉は十分な筋力を発揮できないままになっている可能性が高いのです。
実際にどのように矯正するの?
では『実際にどのように骨盤矯正をおこなって行くのか…』ですが、全身から評価して行くというスタンスからも、大まかには通常の腰痛に対するカイロプラクティック・ケアと変わらず、身体各部位の機能障害を改善させたり、骨盤の安定に関わる筋肉を働かせることを行います。
ただ、自然分娩の場合は恥骨結合の検査が必須になるとか、関節の可動性が向上していることを考慮した施術方法が求められるとか、妊娠中に使われ方が変わっている可能性がある筋肉をチェックしたりといった点が加わってきます。
当院では身体各部の機能障害や筋力の安定、骨盤のバランスの評価・治療にAK(アプライド・キネシオロジー)を用いています。詳しくは『AKとは?』をご覧頂きたいのですが、骨盤矯正という観点からは、ブロックを用いて骨盤の傾きを改善させる、腹筋群や股関節周囲の筋群で弱化している筋肉をピックアップして関節や反射点に刺激を加えて筋力を回復させる、頭蓋にアプローチをしながら呼吸に関連する機能障害を改善するといったところでしょうか。
あとは患者さん一人一人の症状や状態に合わせてアプローチを選択し、より健康な状態に導くことを心がけております。
産後いつ頃から可能なの?
「産後の骨盤矯正はいつ頃から可能ですか?」という質問を頂くことが多いです。
産後すぐでも構わないのですが、赤ちゃんのお世話はなにかと大変ですし、退院後しばらくはご自身の体調も安定しない状態だと思います。ですので、だいたい産後1ヶ月くらいを目安にしてください。
ただ、産後1ヶ月でないといけない…ということではありません。赤ちゃんのいる生活が落ち着くには意外と時間がかかるもの…何時でないといけないということはありませんので、落ち着いた段階でご相談ください。



