『噛むことの大切さ…(パート2)』
【カイロこまば通信】

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テーマ:噛むことの大切さ…(パート2)

今回は噛むことの大切さについての第2回です。噛むことは胃腸障害を防ぐための最前線を担っているのですが、胃腸障害がどのような影響を引き起こすのかについてお話して行きます。「胃が痛い…」とか「よく下痢をする…」「便秘がち…」という方は、よく噛めているかを思い返しながら、読んでみてください。

胃腸の役割は消化・吸収です。食べた物を分解し、栄養として吸収することで身体は維持されていますから、胃腸は大切な働きを担っています。また、胃腸(口腔から…)は常に外界と接していますから、外界からの侵入物(食べ物だけでなく細菌も含まれます…)に対する防衛ラインでもある訳です。つまり、胃腸が弱っているということは、最前線が突破されている(胃酸が出ない…、胃腸炎になっている…)が、増援部隊を送り込めない(吸収ができなくて必要な栄養が不足…)危機的な状態に陥っているとも言えるのです。

胃腸が外界と接していることをイメージさせるイラスト

腸壁で免疫細胞が異物に対して攻撃をしかければ、そこには炎症が生じます。腸壁にきている神経終末が刺激され、常に脳に対して侵害刺激(痛みと同様な刺激…)をあげることになります。脳はストレスを抱え込み、自律神経やホルモンのバランスを崩したり、痛みを抑制する働きが機能しなくなったり、姿勢・バランス制御が上手くいかなくなったりと様々な問題を引き起こす可能性があります。

胃腸の調子が悪い時、まず症状を落ち着かせる薬を選択される方は多いと思います(胃が痛いから胃薬、下痢をするから下痢止め、便秘だから便秘薬というように…)。ただ、出た症状への対処であって、症状が出ないようにする努力はされているでしょうか

例えば、胃が重苦しい、胸焼けがするといった逆流性食道炎のような症状の場合、胃酸過多と言われて胃酸を抑える薬を飲みがちですが、咀嚼によって食べ物を細かく砕いておけば胃酸を過度に分泌する必要はない筈です。胃の内容物の分解に時間がかかれば腐敗します(胃酸には腐敗を抑える役割もあるのですが…)。腐敗等のガスは上にたまりますから、逆流性食道炎様の症状につながることもあるのです。よく噛むことは、そのような症状を和らげることにつながります。

ここでちょっとした疑問を一つ。加齢に伴って、胃酸や消化酵素の分泌は低下し、蠕動運動も弱くなることが分かっています。そうすると、胃酸過多って本当になるの? といった疑問は残ります(栄養療法では胃酸が出ていないことが問題とよく言われます…)

腸においてはどうでしょうか。便秘薬や下痢止めといった薬があります(整腸剤は腸内環境を整える働きなので別扱いで…)が、腸の運動に働きかけたり、腸内の水分量を変化させたりします。一時的に使用するのであればとても有効なものですが、常用するのはどうでしょう…副作用を考慮する必要はあると思います。薬を飲んで症状は治まっても、腸の機能や腸内環境が崩れたままでは下痢や便秘を繰り返すことになってしまいます。腸内に慢性的な炎症が残っているとしたら、脳に過剰な刺激をあげてしまい、脳の機能に影響します。

消化・吸収をしっかりさせるためには、胃腸に優しい生活を送ることが大切です。消化にパワーのかかるものをむやみに摂らないようにしましょう(食べ過ぎもそうですが、肉ばかり食べるといったこともどうでしょう…)。消化・吸収には様々な酵素が関わります。酵素の働きを助けるビタミンやミネラルをしっかりと摂ることも忘れずに。また、自律神経機能(副交感神経が関わります…)を崩さないよう生活習慣を見直すことも有効です。

ただ、消化・吸収の入口は口です。咀嚼をしっかりとすることが消化・吸収の第一歩なのです。ここをおろそかにすると、先々でいらぬトラブルを引き起こしかねません。まずは、噛むこと(味わってゆっくりと食べること…)からはじめてください。

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