『骨盤シリーズ第2回…靭帯について!』
【カイロこまば通信】

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テーマ:骨盤シリーズ第2回…靭帯について!

骨盤にはかなりの荷重がかかります。その荷重に負けずに寛骨や仙骨、腰椎、大腿骨を結び付けているものが靭帯なのです。今回はその靭帯についてお話します。

今回も骨盤についてお話します。第2回テーマは骨盤の各骨を強固に結びつけている靭帯についてです(スペースの都合上、筋肉まで入れませんでした…)

骨盤部の靭帯は、つなぐ骨や部位の名称をもとにつけられています。例えば仙骨と腸骨の間にある靭帯は仙腸靭帯という名称で、前・骨間・後とあり、仙腸関節を強固にサポートしています。同様に、腸腰靭帯であれば腸骨と下部腰椎の間に、仙棘靭帯であれば仙骨と坐骨棘の間に、仙結節靭帯であれば仙骨と坐骨結節の間に張っています。このように各部に張り巡らされた靭帯によって骨盤は連結されているのです。

骨盤部にある靭帯を示したイラスト画像

靭帯は関節が広がると緊張して狭まると弛緩しますが、筋肉のように伸びたり縮んだりを随意的に行える構造ではありません。ただ、長さが全く変わらないという訳ではなく、成長や生活習慣に応じての身体の使い方が反映される構造でもあります。

例えば常に腰を丸めるように座って骨盤を後傾させている方(椅子に浅く座るような方…)は、骨盤の中央にある仙骨を後方に押し出そうとする力が加わるので後仙腸靭帯に緊張が生じて伸ばされます(靭帯に常にストレッチをかけていることと同じです…)。慢性化すると立位でも仙骨が後方に傾くため(仙骨はうなずくような動きをするのですが、うなずくのではなく、起き上がった状態…)、仙骨に乗る腰椎がフラットな姿勢(腰椎は本来うなずいた仙骨から前に凸の弯曲を作りながら伸びてくるのですが、起き上がった仙骨からはまっすぐに伸びてしまいます…)になります。一方、仙腸関節の前側にある前仙腸靭帯はその姿勢が習慣付いているのであれば伸ばされることが少なく、適応して短くなってきます。靭帯は過度な外力が加わると伸ばされて断裂することがありますが、そのような外力がなくても長年の負荷(偏った姿勢など…)から伸ばされる、そしてそれに適応することがあるということです。

では、適応した靭帯を戻すことは出来ないのでしょうか? その答えは、「簡単ではないので努力と忍耐が必要…」というところでしょうか。身体が硬い人はストレッチを続けると軟らかくなってきます。関節の可動域が向上しているのですが、靭帯が伸張しているということでもあります。骨盤部の靭帯も同様ですが、走行が複雑なため、簡単にストレッチをかけることはできません。靭帯を伸ばそうと過度に負荷をかけると、結果椎間板を痛めてしまうとか、別の問題を引き起こすことも考えられます。まずは座り方を改善するとか、運動をする(全身を大きく使う運動がお勧めです。例えば水泳とか…)といった所から始めてみては如何でしょうか。

今回なぜ靭帯をテーマにしたかと言うと、2つのポイントがあるからです。

1つは関節の可動性が低下する(運動をしていないとか…)と靭帯が短くなってしまい、靭帯性の関節フィクセーションが引き起こされる(骨の癒着や筋の過緊張といった他の原因もありますが…)、更には対をなす関節は逆に可動性が亢進してしまうという点です(痛みは可動性亢進側に生じやすい…)。もう1つは靭帯が過度に伸びてしまうと関節の安定性が低下し、骨盤が不安定になる、その結果痛みが生じるという点です。靭帯が伸びるのは、反復的な運動を繰り返し、関節が柔らかくなりすぎてしまったり(体質的に関節が柔らかい方も…)、妊娠・出産時にホルモンの作用で一時的に伸びたりといったことで生じます(骨盤は靭帯によって強固に結び付けられているので、産道を確保するために靭帯が緩む必要があります…)。関節が不安定な状態では周囲の筋肉が安定を引き出すようフォローしないといけないのですが、合わせて筋肉もトラブルを起こしているケースは多いです。 といった点を踏まえ、次回は骨盤周囲の筋肉についてお話して行きます。

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