『回盲弁症候群…って何?』
【カイロこまば通信】

カイロこまば通信は、2006年11月から当院入口で配布してきたニュースレターです。様々なテーマで健康情報を発信していますので、ぜひご覧ください。順次掲載して行きます!

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テーマ:回盲弁症候群…って何?

今回は筋肉や骨格から少し外れて、内臓の機能的な問題についてお話します。回盲弁から生じる問題について、医学ではあまり注目されていません。でも、カイロプラクティック、特にアプライド・キネシオロジー(以下、AK)ではとても重要視しています。

今回は、季節や食べ物の変化に伴って体調を崩しやすい、朝に体調が悪い(夜遅く寝ると症状が悪化するというパターンも…)便秘や下痢を繰り返すといった症状でお悩みに方に、原因となり得る問題を一つご紹介します。それは、回盲弁症候群です(もちろん原因の一つであって全てではありません。ただ、見過ごされていることが多い問題でもあります…)

まずは素朴な疑問から…「回盲弁って何だろう??」

あまり聞きなれない言葉ですよね。これはお腹にある小腸(回腸)と大腸(盲腸)との境界にある弁です。小腸と大腸はどちらも消化に関わる臓器ですが、働きは異なります。小腸は消化・吸収に関わりますが、大腸は水分やイオン(ナトリウム等…)を吸収して便を固形にします。特に大腸には多数の腸内細菌が存在し、ビタミンKやビタミンBを合成しているのですが、代謝に伴い多量のガスも発生します。栄養素をよく吸収できるよう小腸の内容物をよく留まらせ、細菌が多く含まれる大腸の内容物の逆流を阻止しているのが回盲弁なのです。

小腸と大腸の境にある回盲弁の場所を示すイラスト図

回盲弁は大腸内のガス圧や、手前にある括約筋を自律神経が制御することで開閉しています。ただ、胃や腎臓、腹膜からの反射、腸内のph値の偏りなどで弁の機能(働き)が落ちてしまうことがあります(オープンやクローズといった状態に偏る…)。小腸内滞留による腐敗や盲腸からの逆流によって生じる毒素の吸収、それを希釈するための水分貯留が各種症状を引き起こします。

とはいっても、右下腹部の痛みとして出てくることはまれで、別の部位に強い痛み(胸部痛、頭痛、右肩痛、多関節の痛み…)を引き起こしたり、むくみめまい耳鳴りといった症状を引き起こしたりと分かりにくいのです。病院では回盲弁症候群に着目することはまずない(回盲弁症候群という言葉自体ほとんど認識されていないのでは…)のですが、椎間板ヘルニアの要因になることもあり、内蔵を含め機能的な問題の改善を目指すAKではこの問題を重視しています。

普段食べているものも関わります。スパイスが効いたものをたくさん食べる、カフェインをたくさん摂る、アルコールを多量に飲む、季節の変わり目にフルーツや野菜をたくさん食べる(繊維質が増える…)といったことも誘発要因です。回盲弁症候群の疑いがある場合は、食事への配慮も必要となるのです(この問題が疑われる場合は生の野菜やフルーツの摂りすぎに注意しましょう! 野菜はなるべく火を通して…)

もう一つ、疑うべき徴候をご紹介しておきますと、冒頭でも書いた便秘や下痢を繰り返す、或いは小さくコロコロとした便(兎糞)になりやすいといった排便状態も着目点となります。体内の水分量の調整という面で、小腸と大腸の関わりは大事です。最終的に便として排出される時の状態からも、回盲弁症候群を疑うことが出来るのです。

この問題に対してAKではどのようにアプローチするかというと、ここはやはりカイロプラクティック。筋力検査を交えながら問題の有無を判断し、弁を閉じる、或いは開く方向に持続的な押圧をかけたり、反射ポイントを刺激したり、必要に応じて関連する部位にアジャストメント(カイロプラクティックの代名詞…)を行います。その他、前述したような食事に関するアドバイスを加えながら経過を追って行きます。

回盲弁症候群と言うと何か大層な病気と思ってしまいがちですが、そのようなことはありません。さほど症状がなくてもこの問題を持っている方は意外と多いのです。今まであげたポイントが全て当てはまる必要もありません。病院で検査しても特に原因が見当たらない…、これらの症状に少しだけど当てはまる…、何か気になる…という場合はぜひ一度ご相談ください。

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