『顎を引くってどういう状態?』
【カイロこまば通信】

カイロこまば通信は、2006年11月から当院入口で配布してきたニュースレターです。様々なテーマで健康情報を発信していますので、ぜひご覧ください。順次掲載して行きます!

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テーマ:顎を引くってどういう状態?

肩こりや姿勢の悪さを訴えている患者さんには、姿勢を良くして頂くために他のポイントと一緒に「顎を引いてください」というお願いをします。ただ、顎を引くというと下を向いてしまう方が多いのですが、後ろに引いて欲しいのです。今回は顎を後ろに引くということについてお話します。

まずは周りの人の座っている姿勢を観察してみてください(職場で…、学校で…、食卓で…)

一般的に猫背と言われるような座り方をしている人がとても多いことに改めて気付いてもらえると思います。「疲れていそうだな…」とか、「落ち込んでいるのかな…」というようにちょっと心配してしまうような座り方をしている人もいませんか? 座り方ひとつで印象は大きく変わるものです。ご自身の座り方もチェックされてみては如何でしょうか。

次にもう少し観察するポイントを限定してみましょう。

頭の位置を確認してみてください。パソコンを使っている場合は顎を突き出すような姿勢をしている人をよく見かけます(デスクトップタイプの方は特に…)。片肘を突きながら画面を見ていませんか? 顎は間違いなく突き出ていますよ! 頭を支える首や肩の筋肉は楽かもしれませんが、その分背骨(特に頚椎)にかかる負担は大きくなりますし、後頭骨は上を向いた姿勢に固定されがちです(つまり顎が突き出てしまうのです…)

肘をつきながら画面を見ている女性の画像

机の上で何か書いたり勉強しているような場合は下を向いているので顎を引いているように見えるかもしれません。でも、背中を丸めて上体を机に被り込ませ、結果的に顎はあまり引けていない、むしろ突き出している人も多いです。頭が背骨よりも前に出ているのですから、頭を支える背骨や背面の筋肉にかかる負担は相当なもの…。肩こりや頭痛が起こってもおかしくない姿勢と言えます。

背骨と頭の位置と顎との関係を表したイラスト

顎を突き出すような座り方をしている方は、すくなからず姿勢的な問題があると考えられます。座り方については前にもお話していますが、簡単におさらいしておきましょう。

椅子に深く座って(そのポジションに背もたれがくれば使いましょう)膝が90度程度で曲げられるよう椅子の高さを合わせてください。次に膝が奥まで入るように机の下を整理して椅子をしっかりと引いてください。最後に、そのポジションに合わせてパソコンのキーボードやモニターを設置し直してください(モニターの角度やキーボードの位置の微調整は大切です)

(vol.12「新しい環境での注意点!デスクは大丈夫??」はこちらから)

患者さんに姿勢のお話をさせて頂く時には「顎を引いて下さい。それも下ではなく後ろに!」というお願いをします。頭の重さはほぼ体重の1/8です。それだけの重みを首や肩の筋肉でずっと支えている訳ですから、問題が起きないことの方が不思議とも言えます(頭痛や肩こりだけでなく、背中や腰の痛みにも影響してきます。もちろん、胸郭の動きの制限から来る呼吸への影響も無視できません…)

首や肩の筋肉を鍛えるというのも一つの方法かもしれません。でも常に体重の1/8の重さを維持できるよう鍛えられる精神力を持ち合わせた方は…多くはないですよね(それに効率的とも言えません…)

顎を後方に引くことのメリットは頭の重さを背骨になるべくカバーさせることで、筋肉にかかる負担を減らせるという点です。もちろん背骨がその重さを支えられるような良い姿勢を取っていることが前提となりますし、その姿勢に慣れていないことから逆に色々な筋肉が緊張して余計疲れてしまうかもしれません。姿勢を変えようとする場合、始めは逆に疲れたりちょっとした痛みが出てくるものです(今までサボっていた筋肉を働かせるのですから疲れるのは当たり前…)。その姿勢に慣れてくるまでは1ヶ月以上かかるかもしれません。でも、相手に与える印象という副次的な効果も考えれば、決して損な努力ではないと思うのですが如何でしょうか。

但し、注意点が一つあります。姿勢は成長とともに形作られてきたものですから、背骨や肋骨の構造上の問題、更には筋肉の短縮といった適応による変化が生じていることも考えられます。座り方を気にする、顎を引くということだけで良い姿勢になって印象がよくなるということを保証できるものではありませんので、その点はご理解ください。

ただ、ご自身で姿勢が崩れているなと感じる時ってありますよね。そう感じた時は、そのままにするのではなく姿勢を正して欲しいのです。普段から気にしてその姿勢を脳に記憶させてしまうことがベストですが、気になった時に直すといったスタンスでもやらないよりはよっぽどましです。その時にどのように直すかを覚えておいて欲しいのです。

カイロこまば通信vol27のイメージ画像

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